コラム

頭痛とうつ

女性の妊娠とうつ

女性は妊娠によってもさらに鉄を失うことになります。

胎児の成長には鉄が非常に重要です。

特に妊娠中期から後期にかけては胎児が急激に大きくなりますが、この時期は赤ちゃんの鉄の需要が増えるためお母さんは沢山の鉄を供給するため自身の鉄を失うことになります。

さらに出産時には出血の量が多くなるため産後はさらに鉄欠乏が進行することになります。

産後うつ

産後のうつ・・・よく聞く言葉ですが、実はこの鉄欠乏が関わっている可能性が高いのです。

うつで問題とされるのは脳内の神経伝達物質であるセロトニン減少と言われます。

セロトニンはトリプトファンという必須アミノ酸からつくられます。

トリプトファンからセロトニンが生成される過程においては補酵素としてナイアシン、ビタミンB6, 葉酸、そして鉄が関わります。

そこで鉄不足が進行するとトリプトファンからセロトニンへの転換が制限されセロトニンが減少することとなりうつ症状を発症すると考えられます。

参考資料

片頭痛の出現は鉄欠乏性貧血と相関しており、不安やうつ症状も鉄欠乏性貧血をもつ片頭痛患者で強い相関がある
Is iron-deficiency anemia associated with migraine? Is there a role for anxiety and depression? Wien Klin Wochenschr. 2015 Apr 9. [Epub ahead of print]

うつと片頭痛

片頭痛の発生も一過性のセロトニンの上昇から一転してセロトニンの減少がみられるために誘発されるとされています。